「マーチンゲールってよく聞くけど、いったい何?」
「マーチンゲールを使うと勝てるらしいけど、ホント?」
これらの疑問に答えます。
【記事の内容】
- 『マーチンゲール法』とは
- マーチンゲール法の勝率
- マーチンゲール法の3つの危険性
- マーチンゲール法に向いている人と向いてない人
- バイナリーオプションでマーチンゲール法は有効な手段か
マーチンゲールというトレード手法は、バイナリーオプションでも使えるテクニックの一つです。
とはいえ、マーチンゲールについて詳しく知っている人は少ないのではないのでしょうか?
実は、マーチンゲールの仕組みはシンプルですが、安易に使うのは危険です。
そこでこの記事では、マーチンゲールの正しい知識と注意点、使い方を解説します。
マーチンゲール法を理解して、バイナリーオプションの勝率アップにつなげましょう!
※この記事は2020年7月7日時点のものです。
目次
禁断の技といわれる『マーチンゲール法』とは
マーチンゲール法を一言で説明しますと、『負けたら次の取引で掛け金を倍にする方法』です。
カジノゲームでも、確率1/2かつ配当が2倍以上の場合に使うテクニックになります。
マーチンゲールを使えば、どれだけ連敗が続いても一度でも勝てば、連敗分の損失を取り戻せるのです。
なので理論上は負けないエントリー手法とされています。
例えば2連敗した後、3回目で勝つと次の図の通りになります。
上記の図のようにいくら負けても、掛け金を勝つまで倍に増やしていけば、理論上は勝率100%になります。
「これなら絶対負けないじゃん!」
と、思われた方!慌てずに最後までこの記事をお読みください。
この記事のタイトルにもあるように、マーチンゲールは『禁断の技』なのです。
今回の例は2連敗でしたが、さらに連敗をしてしまうと大変なことになってしまいます。
マーチンゲールのリスクと使い方を詳しく見ていきましょう。
マーチンゲール法で大切なのは『連敗する確率』
マーチンゲール法のポイントは『連敗する確率』です。
連敗数が少なければマーチンゲールほど効果的な方法はありませんが、連敗してしまうと必要資金が膨大になっていくので危険になります。
そこでまずは、確率1/2の場合に連敗する確率を計算してみましょう。
連敗数 | 確率 |
---|---|
1 | 50% |
2 | 25% |
3 | 12.5% |
4 | 6.25% |
5 | 3.125% |
6 | 1.563% |
7 | 0.782% |
8 | 0.391% |
9 | 0.196% |
10 | 0.098% |
このように連敗数が多くなれば、それだけ実際に起こる確率は低くなります。
6連敗以上で確率は1%以下になり、10連敗する確率に至っては0.098%です。
この確率を低いと考えるか高いと考えるかは人それぞれですが、マーチンゲール法で大切なのは、連敗を確率で考えるのではなく、連敗しないようにする事です。
連敗しないようにする方法については、この記事で後述します。
マーチンゲール法の知っておかなければいけない3つの危険性
ただ「マーチンゲールは怖い」と避けるのではなく、使い方によってはマーチンゲールも効果的なテクニックになるのです。
しかしマーチンゲールを効果的に使うには、マーチンゲール法の3つの危険性を理解しておくことが重要です。
- 危険性1:約4連敗するとトータルで損する
- 危険性2:多くの投資資金が必要
- 危険性3:連敗中は精神が不安定になりがち
この危険性を知らずにマーチンゲールを行うと、甚大な損失を出す可能性があります。
3つの危険性を詳しく解説しますので、必ずお読みください。
危険性1:約4連敗するとトータルで損する
単純にマーチンゲールは、配当が2倍の場合には理論的には負けない仕組みです。
しかし、バイナリーオプションの場合のペイアウトは2倍未満のものも存在します。
その場合、マーチンゲール法をしていても、いずれは利益がマイナスになる時がくるのです。
例えば、ペイアウト率が1.85倍だった場合、計算すると約4連敗が限界になります。
以下がそのシミュレーションです。
トレード数 | 取引額 | 取引総額 | ペイアウト額 | 利益額 |
---|---|---|---|---|
1 | 1,000 | 1,000 | 1,850 | 850 |
2 | 2,000 | 3,000 | 3,700 | 700 |
3 | 4,000 | 7,000 | 7,400 | 400 |
4 | 8,000 | 15,000 | 14,800 | -200 |
5 | 16,000 | 31,000 | 29,600 | -1,400 |
6 | 32,000 | 63,000 | 59,200 | -3,800 |
7 | 64,000 | 127,000 | 118,400 | -8,600 |
8 | 128,000, | 255,000 | 236,800 | -18,200 |
9 | 256,000 | 511,000 | 437,600 | -37,400 |
10 | 512,000 | 1,203,000 | 947,200 | -75,800 |
このようにペイアウト率1.85倍のバイナリーオプションでは、4連敗以上になるとマーチンゲールで勝っても利益にはなりません。
つまり、バイナリーオプションのマーチンゲール法で利益を出し続けるためには、4連敗以上になったら掛け金を2倍以上にしていく必要があります。
危険性2:多くの投資資金が必要
上記のシミュレーション表における取引額の推移の通り、マーチンゲールを行うには、多くの投資資金が必要になります。
シミュレーション表は連敗数ごとの利益額に注目しましたが、実はそれ以上に注目するべきは『取引額』と『取引総額』なのです。
5トレード目(4連敗)からは1回の掛け金が1万円を超えてきますし、8トレード目(7連敗)からは1回の掛け金が10万円を超えてしまいます。
しかし、これは1回の掛け金であって、5トレード目で総額は31,000円、8トレード目で総額は255,000円を掛けているわけです。
確率的には7連敗する確率は1%以下(マーチンゲール法の勝率表を参照)ですが、実際に7連敗まできましたら、計25万円を超える資金を事前に用意しておく必要があります。
つまりマーチンゲール法を行うには、多くの投資資金が必要になるのです。
危険性3:連敗中は精神が不安定になりがち
マーチンゲールで連敗すると、掛け金が増えるだけでなく、ここでまた負けたらどうしようと思って精神が不安定になりがちです。
まさにルーレットで赤か黒かを待つ心境です。
ペイアウトが2倍なら、どこまで負けても勝てば損失にはなりません。
しかしバイナリーオプションの1.85倍の倍率では、3トレード目(2連敗)までなら勝てば利益にはなりますが、4トレード目(3連敗)からは勝っても損失になります。
しかも4トレード目だと、取引額が8,000円です。
3トレードまでの7,000円の損失を200円に戻すために、8,000円も掛けることになります。
バイナリーオプションは少額でトレードが出来る点と、勝てば掛け金が約2倍になる期待値の高さがメリットです。
マーチンゲールを実践して2連敗程度が続けばよいですが、連敗が続けば期待値は下がり、掛け金だけ増えることになります。
マーチンゲールで連敗が続けば、強く不安になるかもしれないという自覚が必要です。
マーチンゲール法をするべき人とそうでない人
ここまでお読み頂き、マーチンゲールの仕組みと危険性が理解できたのではないでしょうか。
誤解しないでいただきたいのは、決してマーチンゲールをするなと言っているわけではないことです。
ただし、マーチンゲールをするべき人とするべきでない人の特徴があるので、事前に知っておくとよいでしょう。
その特徴は次の4つです。
- 投資資金が豊富にあるかどうか
- トレードルールが守れるかどうか
- メンタルに自信があるかどうか
- チャート分析の知識があるかどうか
それでは詳しくマーチンゲールをするべき人とするべきでない人について解説します。
投資資金が豊富にあるかどうか
まずマーチンゲールをするには、豊富な投資資金が必要です。
今回のシミュレーションから考えると、10万円程度の資金では6連敗したらもうマーチンゲールは続けられません。
さらに、追加で5連敗したら資金がなくなってしまいます。
6連敗して、さらに5連敗はそうそうあることではありません。
しかしマーチンゲールの怖さは、1回でも大きな連敗をしてしまうと、その時点で資金が激減してしまう点にあります。
とはいえ、どれだけの資金があれば良いのか、という基準があるわけではありません。
しかし4連敗5連敗くらいは起こりえる、という前提で考えておいてください。
トレードルールが守れるかどうか
どんな状況でもルールを守ったトレードができる人でないと、マーチンゲールはしない方がよいです。
マーチンゲールは連敗を避けられれば、高い効果が得られます。
なのでトレードで勝つ事よりも、負けない事の方が重要です。
そのためには、ルールに沿ったトレードをしてなぜ負けたのかを分析することが大切になります。
そのルールにマーチンゲールを組み合わせていくと、より有利に取引を進められるでしょう。
メンタルに自信があるかどうか
マーチンゲールをするなら、連敗が続いて失うかもしれない掛け金が倍々で増えていく状況でも耐えられるメンタルの強さが重要です。
軽い考えだけでマーチンゲールを行うと、ほぼ間違いなくマーチンゲールの連敗で心が折れます。
マーチンゲールをするために淡々と倍額を掛けていくのは、簡単なようでかなりメンタルに響きます。
まずはデモトレードでマーチンゲールを実際に行って連敗を実際に経験してみるのがおすすめです。
もしデモトレードでマーチンゲールをしてみて、目の前で資金が一瞬でなくなっていけば現実味を感じられるでしょう。
連敗にも耐えられるメンタルの強さがあれば、マーチンゲールをうまく有効活用できます。
チャート分析の知識があるかどうか
バイナリーオプションで連敗を防ぐためには、為替チャート分析の知識は必須です。
上がるか下がるかは単純に確率50%ですが、確率だけに頼っていては安定して勝てるようにはなりません。
為替レートはバイナリーオプションだけの要因で動くわけではなく、FXトレードや貿易実需もあります。
つまり、為替取引に参加している全員の取引行動がバイナリーオプションでも使うレートになるわけです。
その参加者のうちの9割以上が投資目的と言われており、そのトレーダーのほとんどが、チャート分析で投資行動を判断しているのです。
つまり、チャート分析をすると為替レートの動きが判断できるようになり、トレードの精度が上がるのです。
マーチンゲールを行うのであれば、チャート分析の知識を増やして取引の精度を上げることが重要になります。
バイナリーオプションでマーチンゲール法は有効な手段?
結論、マーチンゲールは有効な手段といえます。
ただしマーチンゲールが有効な手段になるかどうかは、自分の使い方次第です。
使い方のコツは、『損切りルールを決めること』です。
バイナリーオプションでは1回の掛け金の上限が20万円となっている以上、8連敗した時点で、強制的にマーチンゲールは終了です。
なので無限にできないのであれば、自分で損切りのルールを決めて、資金的な余裕がある時点でマーチンゲールを終了させましょう。
FXに損切りがあるように、バイナリーオプションでも損切りをする事で、次のトレードに気持ちを切り替えて望めるのです。
具体的には、3連敗して4トレード目に入りますと、勝っても損失になります。
これではバイナリーオプションの期待値もモチベーションも下がってしまいますので、最高3連敗でマーチンゲールを終了するルールがおすすめです。
3連敗までのルールにすれば、損失総額も最大7,000円で済みます。
7,000円でしたらまだ致命的な額ではありませんし、全然取り戻せる額です。
また、チャート分析の知識をつけることで、ここぞと言うトレードチャンスがきた時に掛け金を増やしてペイアウト額を増加できます。
バイナリーオプションは初心者でも勝ちやすい投資ですが、やはり経験がある方が勝てるのは間違いありません。
同様に、バイナリーオプションでマーチンゲール法を使ったトレードを経験するほど、有効活用して利益を増やしていけます。
バイナリーオプションでマーチンゲール法を使うなら、事前に綿密な分析を
掛け金を倍額にしていくマーチンゲールは、使い方次第で有効な方法であることは理解していただけたでしょうか。
とはいえ、バイナリーオプションでは、ペイアウトが2倍以下で、さらに掛け金の上限があります。
これだけを考えれば、バイナリーオプションではマーチンゲールをするべきではないと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、バイナリーオプションには、チャート分析と言うギャンブルにはない武器があります。
さらにマーチンゲールの回数や金額の上限ルールを作る事で、損失を限定することが可能です。
決してマーチンゲールだけに頼らずに、チャート分析と資金管理を駆使して勝てるタイミングを見極められれば、その威力が発揮されるのです。